【剣盾S3 最終338位】あなたを詰ませたい面構築
【構築の簡単な経緯】
剣盾ランクマを始めた当初に一目惚れしてから愛用していたHDアーマーガアの活かし方をずっっと探し続けた結果
・こちらの"強力なダイマ"で数的有利を取る
・相手にダイマを強要させ、こちらの詰ませ隊の突破を不可能にする
ことで相手にTODの負け筋を押し付ける選択に落ち着きました。(あくまで今季に限ってですが)
それを実現させるため、対面性能の高いダイマエースとそれらを活かす中間職、ガアと並ぶ詰ませ役を採用し構築が完成しました。
【型説明】
①
持ち物:たべのこし
性格:図太い 特性:シンクロ
努力値:H244 B252 S12
実数値:201-x-178-x-150-87
技構成:イカサマ/月の光/欠伸/怪しい光
相棒枠。回復技を切ったきあいだめバトンだったり、振るいたてるバトンだったり。今季はいろいろ試しましたが、やはり受けとして機能しないと選出すらできなかったのでこの構成に落ち着きました
怪しい光はラムのみ対策になり、欠伸に受け出ししてきたトゲキッスなどに打つことで混乱でラムを消費させ眠らせることが可能になります。また対面でなんもすることがない~ってときの誤魔化しとしても優秀でした
今作は試合展開が早く、また積み技で溢れかえっていたため、守るが不要な即時回復の月の光は非常に使い勝手がよかったです
②
持ち物:タラプのみ
性格:慎重 特性:ミラーアーマー
努力値:H252 D244 S12
実数値:205-107-125-x-149-89
技構成:ブレバ/ビルド/身代わり/羽休め
S…+1で準速キッス抜き
HB…タイプ一致イカサマが身代わりに対して50%の乱数
この構築の軸。基本的には選出画面でまずこのポケモンが通せそうかを考え、4体以上に有利が取れそうなときは積極的に選出させていました
一般的なタラプガアの挑発を身代わりに変えたことで、熱湯持ち高耐久水を始めとした多くの陰キャポケモンを起点にできる他、各場面の様子見や相手のダイマターン稼ぎなど様々な場面で役に立ちました。(私が単純に挑発という技が苦手というのもありますが)
とにかく対応範囲がどデカく、ビルドを数回積めればダイマエースにもなれる非常に信頼できるポケモンです
BやSがもう少し欲しい場面が多く、何度も調整を変えようとしましたが使い慣れた特殊耐久ラインを崩したくなかったため今季はこのまま使っていました。来季は結構数値弄る予定です
③
持ち物:弱点保険
性格:意地っ張り 特性:クリアボディ
努力値:H236 A196 B44 D4 S28
実数値:193-181-101-108-96-166
技構成:ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/空を飛ぶ/大文字
調整はどこかのパクり。詳細はわかりません
対面性能の鬼。ダイマがあればほぼ全ての相手とタイマンできるやばいやつ。ただサザン抜きとかなりシビアな素早さなので、相手のSラインを常に意識してジェットの打つタイミングを間違えないようにしないといけません
選出の関係上初手よりは死に出しでのエース運用が多く、そのためか弱点保険は全くと言っていいほど読まれなかったのでバンバン決まってバンバン破壊していました。弱保ドラパのエース運用、絶対強いのですがなんであまり聞かないのでしょう
ミミッキュの皮剥ぎなど、ちょっとしたときに打つ安定択が無いのが弱ポイント。でも弱点と言える弱点はそれくらいで、どんなに厳しい相手パーティでもこいつなら何とかしてくれる、と信頼できるポケモンpart2でした
④
持ち物:突撃チョッキ
性格:意地っ張り 特性:砂起こし
努力値:H252 A252 S4
実数値:215-180-138-x-92-68
技構成:地震/アイへ/エッジ/雷の牙
S2で有名になった?らしいフルアタチョッキカバルドン。最強です。もう間違いなく最強です。今後どんなパーティを組んでもこのカバルドンだけは一生居続けるんじゃないかって思えるほどに頼りきっています
アホほど対面性能が高く、初手で有利対面を取ってこちらがダイマを選択、相手が突っ張って来たのを見た瞬間に勝ちを確信するってのが多すぎてこいつを使ってるときだけはポケモンが世界一簡単なゲームになっていました
カバでダイマをすると決めた試合は基本初手。非ダイマでも強いのでドラパと同時選出した際はそのまま数値と技範囲と砂で戦います
エッジはリザードン・電子レンジ・扇風機などに打ったり、天候を取るために打ったり。200戦以上してカバと上の対面で引かれたことは一度たりとも無かったのでチョッキカバ愛用者は是非お試しあれ。ちなみにテンプレはここが馬鹿力です(サザンが飛ぶ)
上記4体を確定(明確な勝ち筋)として、それを補完するような2体を最終日まで探し続けることとなりました。
⑤
持ち物:カゴのみ
性格:穏やか 特性:天然
努力値:H244 B12 D252
実数値:201-x-95-115-156-80
技構成:ムンフォ/コスモパワー/小さくなる/眠る
ガアを通すにあたって一番の障害である悪巧みロトムや、一瞬でも隙を見せると壊されるキッスやサザンに対するカウンターとして採用しました。またお互いダイマを切った後に相手を詰ませたり、序盤の小さくなるでダイマを強要させるなどいろんな使い方があります
しかしこのポケモン、非常に数値が低いです。キッス対面でも怯み数回で突破されたり、眠るを見せていなくても気まぐれでダイフェアリーを打たれるだけで即死します
実質的に回復回数が制限されているためロトムにも受け出しはあまりしたくなく、仮にしても天然でオバヒやリフストが受かりません(受からないのですがほとんどの人が天然の仕様を知らずに引いていきます)
最終日3/1の深夜n時までずっと代わりになるポケモンを探していましたが見つからず、結局最後まで居続けることになりました。ただ4:30頃のS3最後の試合で大活躍してくれたので、めっちゃ好きになりました
⑥
持ち物:オボンのみ
性格:穏やか 特性:ライトメタル
努力値:H236 B156 C4 D100 S12
実数値:175-x-155-141-91-107
技構成:流星群/ラスカ/電磁波/ステロ
HB…特化鉢巻ダルマのつらら耐え(スカーフ地震までは耐える。スカーフ馬鹿力以上で4ぬ)。スカーフウオノラゴンのエラガミ2耐え
HD…キッスのダイフェアリー耐え、サザンの流星群耐え
S…麻痺したドラパルト抜き
実はここまで、初手のウオノラゴンとヒヒダルマに全く対応できていません。それらを見て初手から投げられなくもなく、だいたいの攻撃を1発耐えられ、電磁波でうんたんできそうな誤魔化しof誤魔化し枠として採用しました
これが以外にハマって、1発、相手によってはオボン込みで数発受けながら適当に電磁ステロ撒くだけで強かったいいポケモンでした
【基本選出】
①カバルドン+ドラパルト+アーマーガア
vsサザンガルドカバギャラミミカビ系統。この並びが一番しんどい。基本不利なので、カバで相手の選出を見極めて先にダイマを切って相手のしたいことを封じるように仕掛ける。どこかでガアの起点を見つける感じ。
②アーマーガア+ドラパルト+ブラッキー
上三体。ドラパとガアの通りがいいときで、一応一番"したい"選出。ブラッキーを経由しながら、ガアとドラパのどちらのダイマで詰ませられるかルートを探しながら戦う
③カバルドン+アーマーガア+ピクシー
カバとガアの通りがめっちゃいいとき。できるだけカバで暴れて、あとはガアで詰めておしまい。カバガアと出したいときは大抵相手にサザンキッスヒトムあたりがいるので、ダイマが切れたカバが起点にされたときの保険にピクシーを置く感じ
④ジュラルドン+ブラッキー+ドラパルト
ステロを撒いて、昆布して、通ってるドラパで全抜きするだけの簡単選出でもあり、めっちゃ厳しい相手を無理やり崩すときのお祈りパワー選出でもある
⑤ジュラルドン+ドラパルト+@1
vsヌルアント。ステロを撒いてヌルのサイクルを制限、というよりは無理やりヌルを回させてドラパの圏内に入れるように立ち回る感じ
【おわりに】
穴だらけなパーティかなと思いながら使っていましたが、この6体に決まってからの勝率が凄まじく、サブロムではスパボ級からですが20連勝近くしたり、メイン最終日は覚えてる限りで3桁での負け数は2回のみでした
もう少し行けるかなという自負もありましたが、剣盾で500位内を達成したことが無かったため今回はここで撤退しました
来季はサブロム含めもっと上に行けるよう頑張ります
【かなぱな】スクスタイベント後日談【下町巡り珍道中】
※かなぱな(非百合)です
※前作(違う世界線)→ http://ecodaren-poke.hatenablog.com/entry/2019/01/29/000006
~ 花陽宅 夜中 〜
果南「うーん」
果南「…おトイレ行きたい」
果南「鞠莉ぃ~、起きてえ~」ユッサユッサ
ノξソ ˘ω˘ ハ6 スヤァ
果南「ううぅ…」
「…果南さん?」
果南「えっ、花陽ちゃん…ごめん、起こしちゃった?」
花陽「大丈夫だよ。…どうしたの?」
果南「…」メソラシ モジモジ
花陽「…。はなよ、ちょっとお手洗い行きたくなっちゃったな。暗いから一緒に行かない?」
果南「! うんっ」
花陽「おまたせ」
果南「ううん。…ありがとうね」
花陽「どういたしまして。…果南さん、眠い?」
果南「うーん、ちょっと目が冴えちゃったかも」
花陽「なら、お部屋に戻る前に少しお話ししませんか?」
~リビング~
果南「…かっこ悪いよね、いい歳して夜中が怖いなんて」
花陽「そんなことないよ。うちにも1人、可愛いお姉さんがいるから」
果南「? 花陽ちゃん一人っ子だよね?」
花陽「…♪」
果南「…花陽ちゃんはさ、何か怖いものとか、苦手なものとかあったりする?」
花陽「怖いものかあ。すぐには出てこないなあ。μ’sに入る前は運動は苦手だったけど、最近は少しだけ自信もついてきたんだ」
果南「じゃあ、食べ物だとどうかな」
花陽「嫌いな食べ物も特にないかなあ」
果南(この子…もしかして純情すぎて「嫌い」って感情を持ち合わせていないのでは?)
花陽「はい、ホットミルクだよ」
果南「ありがと。…うん、おいしい」
花陽「えへへ、よかった」
果南「…すっごい今更になっちゃうんだけどさ。私たち、お邪魔じゃなかったかな?」
花陽「え?」
果南「もちろん私たちは今日とても楽しかったよ。それはきっと花陽ちゃんたちも同じだと思ってる」
果南「でもさ、多分花陽ちゃんも凛ちゃんも、今日2人でお出かけすることとても楽しみだったと思うんだ。出かける前にわざわざおうちにお泊まり用のお洋服置きに来るくらいだもん。…ふたりの時間の邪魔しちゃったかなって」
花陽「…果南さんは優しいんだね」ニコッ
果南「優しい…っていうか、面倒くさい性格なだけの気がするけどね。掘り返さない方が最後まで楽しいままだったろうに」
花陽「ううん。今日は最後までとても楽しい時間のまま終わるよ。それも、果南さんのおかげで」
果南「私の?」
花陽「うん。おかげで、ちゃんと気持ちをお話し出来るきっかけになったから」
花陽「今日ね、最初に果南さんたちを見つけたとき、本当は声を掛けるか迷ったの。でも、それはふたりの時間がって理由じゃなくて、私たちが凄く人見知りをするからなんだ」
果南「ふたりが?とてもそうは思えないけどな」
花陽「ううん。花陽は特になんだけど、凛ちゃんも最初のうちは結構遠慮しちゃう子なの。仲良くなると猫ちゃんみたいに甘えてくれるんだけどね」
花陽「でもね、それ以上に仲良くなりたかったんだ。こんな偶然、きっともうないって。話しかけなきゃいけないなって思ったの」
花陽「だからね、一緒に行こうって言ってくれたとき、泣いちゃいそうなくらい嬉しかったんだ。きっと、凛ちゃんも同じだと思う」
花陽「本当に、今日はありがとう。すっごくすっごく、楽しかったよ」
果南「花陽ちゃん…」
果南「こちらこそ、ありがとう。ふたりの勇気が無かったら、きっとこんなに仲良くなれるまでもっと時間が掛かってたと思う」
果南「また必ず、一緒に遊ぼうね」ニコッ
花陽「はいっ!」
花陽 「」フワァ
果南「ふふっ。そろそろお部屋に戻ろうか」
花陽「そうだね」
ガチャ
花陽「…えっ!?」
果南「どうしたの?…え"」
花陽「凛ちゃんが…」
果南「ベッドから落ちて床で寝てる…」
˘ω˘ / スヤァ
花陽「あはは…。凛ちゃんね、普段は寝相いいんだけど、特別疲れた日はすっごい寝かたになっちゃうの」
果南「遅くまでいっぱい遊んだもんね、疲れちゃったのかな。にしてもすごいな…」
花陽「とにかくベッドに戻さなきゃ…。うーーん。凛ちゃん軽いんだけど、はなよの力が無さすぎて持ち上がらない…」
果南「手伝うよ。……あ、いや。いいこと考えた」
花陽「いいこと?」
˘ω˘ / ノξソ ˘ω˘ ハ6 スヤァ
花陽「………えっ!?つまり…」
果南「…そゆこと♪」
〜少女添い寝中〜
花陽(うう…ドキドキして眠れないです…)
果南「…花陽ちゃん、起きてる?」
花陽「は、はひっ」
果南「…こっち向いて」ゴロン
花陽「…?」ゴロン
スッ…
花陽「ぴゃっ」
果南「うん、暖かくてふわふわだ。すごく安心する」ギュッ
花陽「果南さん…?」
果南「…苦しくない?」
花陽「はい。はなよも凄く、安心します」
果南「ハグフェッショナルだからね」
花陽「ハグフェッショナル…?ふふ」
果南「あ、笑ったな?」
花陽「笑ってないです」
果南「そっか。なら仕方ない」
かなぱな「」クスクス
果南「ほら、私、怖がりだからさ。よければこうしていさせてくれないかな」
花陽「……やっぱり、果南さんは優しいね」
果南「なんのことかなん」頭ポンポン
花陽「おやすみなさい、果南さん」
果南「おやすみ、花陽ちゃん」
【本の紹介】ぼくの人生における最高の小説の第一作。『いなくなれ、群青』
この記事を開いていただけたこと、誠に感謝致します。
突然ですが、小説を紹介させてください。
私の発信力がない関係上、このような形をとるしか方法がないことは大変情けない話しですが、それでも、どうしても心から伝えたいと願う作品があります。
今記事を見てくださっている皆様に興味を持っていただけるかは自信がありませんが、作品への感謝を持って、精一杯書かせていただきます。
よろしくお願いします。
『いなくなれ、群青』(新潮文庫nex)
河野裕 / 著
「青春ミステリ」に分類される、河野裕氏の送る『階段島(かいだんとう)シリーズ』の第一作にあたる作品です。
当書は2014年に出版したものであり、現在までに第五作まで出版されています
【あらすじ】
主人公、七草の暮らす島。そこは階段島と呼ばれている。島の中央には頂上へ続く長い階段があり、その中枢には島唯一の学校が存在する。更に上へ登ったその先には、「魔女」の住む舘があると噂されている
階段島。そこは人口2000人ほどの小さな島であり、みなそこで平穏な日々を送っている。そして、誰ひとりとしてその島を出ることはできない。
どういった経緯でその島に来たのか。それは来る直前の記憶を消されているため誰も知らない。分かっているのは、ここが「捨てられた人の島」だということだけ
11月19日の早朝。海岸を散歩する七草は、かつての友人、『真辺由宇』に再会する。
どうやらつい先程この島に「来た」であろう真辺に、七草はこの島のルールに則り言葉を告げる。
「ここは捨てられた人たちの島だ。この島を出るには、真辺由宇が失くしたものをみつけなければならない」
失くしたものとは一体なんなのか。それを探す彼らを巻き込む様々な事件。その行き着く先にある「真実」とは────。
この物語は どうしようもなく、彼女に出会った時から始まる。
ぼくがこの本を手に取ったきっかけは単純で、「絵が綺麗だったから」でした。cmや極最近の○○大賞受賞などといった前情報なしに、ただ何となく面白そうだったという理由です。
そして読み終わったときの感想がこれでした。
「なんて綺麗な作品なんだろう。」
ミステリとはよく言ったもので、作中の全てがひとつの結末に向かうその様は、伏線なんて半端なものでは言い表せない何かを感じました
青春ミステリとありますが、これは恋愛ものではありません。もっと深い、高校生の登場人物たちの人間性を描いた物語なので、恋愛ものが苦手な方にはもちろん、恋愛ものをよく読む方には新しい感情に出会うきっかけになるかもしれません
少なくともぼく自身は、この本に、主人公の七草に、全く新しい価値観やいつか体験したであろう自分の感情の本質など、たくさんのことに気付かされました。
大袈裟に言えば、ぼくはこの本に救われたと表現することもできるかもしれません。それほどまでにぼくの心に突き刺さる作品でした
どうか、お時間に余裕があるときでも、ふとした気まぐれでも構いません。ぜひ本書を手に取ってみてください。
その感想がおもしろいでも、つまらない、よく分からないなどだとしても、本書を通じて何かを感じ取っていただけたら、この先の人生におけるほんの些細な糧のひとつにでもなってくれたなら、ぼくは本当に幸せです
欲を言うなら、ぜひ本書の続きとなる第二作『その白さえ嘘だとしても』までお読みいただけたら、そしてその感想を一言でもぼくに伝えていただけたらと切に願います
【かなぱな真ん中バースデー記念SS】ふたりのわがまま【非百合】
〜スクスタMV撮影の楽屋にて~
凛「ほらほら、かよちん頑張って」グイグイ
花陽「で、でもぉ…」
凛「! じゃあこうするにゃ」
絵里・果南「〜~〜~」ソシタラネ.. エー..
凛「…」コソコソ
絵里「……?」チラ 凛「」シー!
果南「…」
凛「……っ今にゃ!」ガバッ
凛「…!?」
果南「へへーん、私にハグしようなんてまだまだ甘いぞ」マワリコンデハグー
凛「にゃーー!!なんでバレたにゃ!」
果南「や、向かいの鏡に映ってたし…」
絵里「クスクス。私はお邪魔かしらね」
凛「あ、ごめんね絵里ちゃん…」
絵里「いいのよ。またね果南さん」フリフリ
果南「うん、またね絵里」ニコッ
果南「…で?凛ちゃん…だったよね?は私に何か用かなん?」
凛「や、用があるのは凛じゃなくて…」チラ
果南「?」チラ
花陽「!」ビクッ
花陽「あ…いや、えと…ご、ごめっ」クルッ
果南「! 小泉花陽ちゃん……だよね…?」
花陽「……?」
果南「やっぱりそうだ!…うん、うんうん、うんうんうん……噂通りの…や、もしかしたらもっと…」ボソボソ
凛「なんで急にかよちんの身体回し見てるにゃ?」
果南「……うん!!花陽ちゃん、ハグしよ?」
花陽「え?え??え????」
果南「では失礼して…」ハグー
花陽「ーーーーー!!」モゴモゴ
果南「…………」ギューーーーーッ
花陽(え?なんでなんで!?なんではなよ急に果南ちゃんにハグされてるの!!?イミワカンナイ!あ、じゃなくて)
花陽「んーー!!」ダレカタスケテー!
果南「……ハァ。あ、ごめんね花陽ちゃん」
花陽「はぁ…はぁ…」
果南「いや、にしてもまさかここまでのハグ心地だとは…雷に打たれた気分だよ」
凛「でしょー。かよちんふわふわだもんね。大丈夫そうだし凛はもう行こうかな」エリチャーン
花陽「り、りんちゃ…まっ…び、びっくりしました……」
果南「やーごめんごめん。どうしても身体がうずいちゃって」アハハ
果南「それで、花陽ちゃんは私に何か用かなん?」
花陽「そ、そうでした…果南ちゃんとお話したくて…」
果南「私と?嬉しいな。あ、それならさ」
花陽「…重くないですか?」
果南「全然。はぁ、にしてもずっと抱っこしてたいよ…」
花陽(何故か果南ちゃんの膝の上に座って後ろからハグされながらのお話しになっちゃいました…でも何でだろう。さっきまであんなに緊張してたのに、むしろ今もっと緊張しそうなのに、何故か凄く安心する)
果南「それで、お話っていうのは?」
花陽「あ、はい。はなよ、元々アイドルがずっと好きで。こうやって会う前からAqoursのことも大好きでずっと追いかけてたんです」
花陽「その中でも、特に果南ちゃんの大ファンで…ちょっとでもお話し出来たらなって」
果南「な、なんか照れちゃうな…でもどうして私なの?」
花陽「果南ちゃん、スタイルもよくてダンスもとても上手だから凄くキラキラして見えるの。それに大人っぽくてカッコよくて、でもとっても可愛くて。はなよに無いものを沢山持ってるから…はなよの憧れなんだ」
花陽「……果南ちゃん?」
果南「や、ちょっと待って…めっちゃ恥ずかしい…顔絶対赤い…」
花陽「」クスクス
花陽「それでね、果南ちゃんにお願いがあるんだけど…聞いて貰えませんか?」
果南「…お願い?」
花陽「うん…はなよにね、ダンスを教えて欲しいの。毎日おうちでも練習してるんだけど、やっぱり限界があって…」
果南「? でもμ’sにもダンス上手な子たくさんいるよね?絵里とか、多分凛ちゃんも上手ぽいけど」
果南「…あ、そっか。…秘密の特訓ってこと?」
花陽「うん…」
果南「そっかそっか。上手になってみんなをびっくりさせたいんだね。それなら是非とも協力させてよ。ハグさせてもらったお礼も兼ねて、さ」
花陽「ほんと!?」パアアァァ
果南「もちろん。なら早速いつやるかとか…」
鞠莉「…あの二人、いつの間にあんな仲良くなったのかしら。マッキー何か知ってる?」
真姫「さぁ…」
〜少女達秘密の特訓中~
果南「ワンツースリーフォーファイシックスセブンエイ」パンパン
花陽「」ハッハッ
果南(…なんだろう。確かに厳しく見れば節々で危なっかしいところはあるんだけど。でもしっかりとテンポも落とさずついてきてる。多分これまで凄い頑張ってきたんだろう)
果南(それに…凄く楽しそうだ。いや、実際とっても楽しいんだろう。ずっと笑顔で輝いてて…ダンスの善し悪し以前に、凄く惹かれる)
果南(これが…スクールアイドル…)
花陽「…きゃあ!」ステッ
果南「花陽ちゃん!?大丈夫?」
花陽「うん、大丈夫…よいしょ」
花陽「…この曲だけじゃなくてね、いろんな曲にそれぞれちょっと難しい振り付けがあったりするんだけど。その度に頑張って練習して、なんとか食らいついてるんだ」
花陽「でも、それじゃダメなのかなって。もっともっと上手になって、いろんなことに挑戦出来るようになりたいんだ。…どうしたら、いいのかな…」
果南「それなら、まずは花陽ちゃんの動きをしっかり研究しようか」
花陽「研究…?」
果南「うん。確かに、運動神経がよくなれば〜ってのが一番分かりやすいんだけどさ。それって多分生まれつき体つきだったりで結構変わっちゃうと思うんだ」
果南「だからね、まずは花陽ちゃんの動きのクセを見つけるの。それが分かれば弱点もはっきりするし、逆に得意なステップが分かればそれを活かしていろんな動きにも応用できるって訳」
花陽「動きの…クセ…。そんなもの考えたこともなかった…。でも、それって難しいことなんじゃ」
果南「まあね。でも任せて。私、こういうの得意なんだ。人に教えたりするの。昔から実家の手伝いしたり、千歌に遊び教えたりしてたからかな」
果南「じゃあね、まずはこのステップを…」
〜後日。μ’s練習中〜
海未「ワンツースリーフォーワンツースリーフォー」パンパン
海未「…」チラ
絵里「…はい、やめ!次、私が拍取るわ。海未、交代しましょ」
海未「はい。お願いします。……絵里」
絵里「?」
海未「」ボソボソ 絵里「…わかったわ」
穂乃果「海未ちゃんどうしたの?」
海未「いえ、何も。絵里、お願いします」
絵里「ok。8拍後に間奏からね」
絵里「ワンツースリーフォーワンツースリーフォー…」パンパン
絵里「…」チラ
絵里「…」
ハーイ! イッタンキューケー! コトリチャンオミズ~
海未「…絵里」 絵里「ええ。」
海未「…花陽。ちょっといいですか?」
花陽「え?海未ちゃんに絵里ちゃんも…どうかしたの?」
絵里「私たちに、ダンスを教えてくれないかしら」
花陽「……………………え?」
海未「先程の練習で花陽の動きを見ていたんです。以前と比べて見違えるほど上手になっています」
絵里「それだけじゃない。私、花陽のダンスから目が離せなかったの。理屈とかじゃない何か、華とでも言うのかしら。が感じられたわ」
花陽「あ、え?えと…」
海未「先程花陽は後ろの立ち位置でしたから。きっと見ればみんな同じ反応をすると思います」
絵里「にこなんかひっくり返っちゃうかもね」クスクス
絵里「だからね、教えて欲しいの。花陽のダンスを。私たちを虜にした、その秘密を」
花陽「……」
花陽「…なんてことがあってね」
果南『そうなんだ。凄いじゃん花陽ちゃん。それで教えてあげたの?』
花陽「ううん…混乱してたら、急にごめん、落ち着いたらまた頼んでいいかって言われちゃって」
果南『そっか』
果南(でも凄いな…あの日からまだ数日しか経ってないのに…きっとあの後も頑張って練習したんだろうな)
果南『そういえば、私も今日似たようなことがあったんだよ。いつもより早めに行って先に踊ってたんだけどさ…』
果南「…」タッタタンタンッタン クルッ
果南「…ふぅ」
ネ、チョオサナイデ モットミシテクダサーイ ル、ルビィモ
果南「ん?」
8人「ギャーー!」ズデー
果南「………なにやってんの?」
千歌「いやぁ~…あはは」
ダイヤ「コホン…果南さんこそ随分早いですわね。自主練ですか?」
果南「んー、自主練っていうか、ただ早く動きたかったんだよね。最近、踊るのがすっごく楽しくてさ」
鞠莉「…果南が屋上に行くのが見えたから、驚かそうと後をついていったのデース。そしたら練習をstartしてて」
果南「…もしかしてずっと見てたの?」
梨子「ごめんなさい。悪気があったわけじゃないんです。…見惚れてたんです、私たち。果南ちゃんの踊りに。表情に」
ダイヤ「えぇ…正直に言って感動しましたわ。スクールアイドルの持つ輝きが、私の目指してたものが見つかったような気すらしましたの」
千歌「ほんとに…凄いよ果南ちゃん!なんか分からないけど…凄い!キラキラしてた!」
曜「うんうん、ずっと見ていたいなって思ったもん。あんなの見せられちゃったら私も踊りたくなってきちゃった!」
花丸「オラ全然見えなかったずら…」
ルビィ「ルビィも…」
善子「まあ、この堕天使ヨハネの第3の目-アナザービジョン-を持ってすれば覗き見くらい造作もないこと…」
ルビィ「見れなくて拗ねてたくせに」ボソ
善子「うっさい!」
鞠莉「教えて、果南。この数日で何があったの?きっと今のAqoursに必要なものを果南は持っているわ」
果南「……」
花陽「…それで、果南ちゃんはなんて?」
果南『うーん。言ってもよかったんだけど、一応秘密ってことにしてたからさ。適当に誤魔化したよ』
果南(なーんて。本当は…)
果南「見たんだよ。本物のスクールアイドルの持つ輝きってやつをさ」
果南『…』
花陽「ーーんちゃん? 果南ちゃん?」
果南『あぁごめんごめん。それで、なんの話しだっけ?』
花陽「もー。この前のお礼に何かしたいって話しだよぅ」
果南『ああそうだったね。でもそんなお礼なんて…あ!それならさ、もしよかったらなんだけど…』
〜2週間後 沼津駅にて~
花陽「うーーんと…」
果南「うっしろだよーん」ハグー
花陽「きゃあ!もう、果南ちゃん!」
果南「あっはは、ごめんごめん。相変わらずのハグ心地で何よりだよ」
花陽「もう…なにそれ」プクー
果南「ほら拗ねない拗ねない。でも電話で提案してほんとに来てくれるなんて凄い嬉しいよ。ようこそ沼津へ!」
花陽「こちらこそ呼んでくれてありがとう!でも不思議だね、地図だとあんなに遠いのに2時間くらいで着いちゃうんだもん」
果南「だね〜。今日は新幹線で来たんだっけ?」
花陽「うん。お父さんとお母さんに話したら、是非行ってきなさいって。帰りも新幹線でいいよって言われたんだけど、せっかくだから電車でゆっくり帰るつもりなんだ」
果南「そっかそっか。優しい親御さんだね」ニコッ
花陽「うんっ」ニコッ
果南「じゃ、早速いこっか。案内したいところ沢山あるんだ!」
花陽「ひ、引っ張らないでえ~!」トテテテ
~夕方〜
果南「ふい~〜楽しかったぁ」ノビー
花陽「うん!けど、流石に疲れました…」
果南「あはは、いろんなとこ回ったもんね」
花陽「果南ちゃんはまだまだ元気そうだね」
果南「体力が自慢だからね。そろそろうち行こっか」
花陽「うん。今更だけど大丈夫?泊まっちゃって」
果南「へーきへーき。うち私とじーちゃんしかいないし。むしろ大した歓迎も出来なくて悪いね」
花陽「そんなことないよ!果南ちゃんのおうちとっても楽しみですっ」
果南「ふふ。ならよかった。それじゃ行こうか」
~果南宅~
果南「たっだいま~」ガチャ
花陽「お、おじゃましまーす…」
じーちゃん「おー果南、帰ったか」
果南「ただいまじーちゃん。今日はお店手伝えなくてごめんね」
じーちゃん「いいっていいって。ごろ寝してるバカ息子引っ張って手伝わせてやったわい」
果南「父さん…たまの休みだったろうに…ごめんっ」ナムナム
じーちゃん「んで、そちらのべっぴんさんは」
花陽「あ、は、はじめまして。小泉花陽っていいます。果南ちゃんとは、その、スクールアイドルで仲良くなって」
じーちゃん「そーかいそーかい。ありがとな、果南と仲良くしてくれて」カッカッカッ
果南「もー!いいからじーちゃんはあっちいってて!/// ご飯出来たら呼ぶから!いこ、花陽ちゃん」
花陽「う、うん。…お世話になります」ペコッ
じーちゃん「…」ニカッ
花陽「そういえば、果南ちゃんお料理もできるんだね」
果南「ん?まあね、て言っても簡単なものしかできないんだけどさ」
花陽「その…お父さんとかは?」
果南「父さん?ああ、家がちょっと離れててね。中学までは一緒だったんだけど、高校になってからは内浦寄りのこっちの方が学校近いからさ。今はお店の手伝いしながら居候してるってわけ」
花陽「あ、そうだったんだ。すごいね、果南ちゃん。きっとおじいちゃんもとても喜んでるよ」
果南「ははっ。ならいいんだけどね」
グゥー
果南「…?」
グゥー
花陽「……///」
果南「…ふふっ。そろそろご飯にしよっか。出来たら呼ぶからくつろいでてよ」
花陽「あ、はなよも手伝います///」
果南「そう?じゃあ一緒にやろうか」ニコッ
花陽「はい!ご飯なら任せてください!」
ゴハン?ピッテスルダケジャナイノ? アマイデスヨカナンチャン..
花陽「ほわああぁぁ…!ほっっわああぁ…!!」
じーちゃん「おーこれまたご馳走じゃないか」
果南「よし、じゃあ冷めないうちに食べようか」
「「「いただきまーす」」」
花陽「んー!おいひぃれす…♡」モッモッ
果南「うわ、お米おいしっ…凄いね花陽ちゃん。土鍋出した時はどうなるかと思ったけど、こんなに美味しく炊けるものなんだね」
花陽「うん。お母さんから教わったんだぁ」ニヘラ
果南「ふふふ、そっかそっか」
じーちゃん「……なあ花陽ちゃん。うちの子にならんか?」
花陽「!?」
果南「じーちゃん!?…ついにボケた?」
じーちゃん「ボケとらんわい!や、花陽ちゃんいるだけで食事の場も明るくなるでの。なにより飯が美味いんだ」
果南「なにさ、私じゃ不満ってわけ?まあでも、分かるなぁ。こんな美味しそうにご飯食べてくれたら私も嬉しいもん。見てるだけで運気が上がりそうだよ」
じーちゃん「ワシも寿命が伸びそうだわい」
果南・じーちゃん「「アッハッハ!!」」
花陽(…似てるなぁ)フフ
果南「っと、ごめんね花陽ちゃん。急にじーちゃんが変なこと言っちゃって」
じーちゃん「え、ワシだけ?」
花陽「ううん、全然。はなよもね、今2世帯で住んでてね。はなよのおじいちゃまってとっても明るくて楽しい人なの。果南ちゃんのおじいちゃんみたいに。だからなんか嬉しいんだぁ」
じーちゃん「そーかいそーかい。なら今度来る時はおじいちゃまと一緒に来るといい。ワシも会ってみたくなったわい」
花陽「はい!ここの景色、とっっても綺麗で…。はなよ、初めて見た時感動したんです。住む人と町とが一体になって、守り、守られ、紡がれてきたこの素敵な世界に。…きっとおじいちゃまも喜んでくれると思います!」
じーちゃん「…っ。さ、ごちそうさま。ワシは向こうでメンテでもしてくっから」
果南「ちょ、相変わらず食べるの早いんだから。ちゃんと噛んだ?」
じーちゃん「噛んだ噛んだ。…花陽ちゃん、最後まで楽しんでってな」フリフリ
じーちゃん「…年取ると涙脆くなっていかんな」ボソ
花陽「…? はい、ありがとうございます!」
果南「じーちゃん、最後なんて言ってたんだろ。まあいいか、たくさん食べてね、花陽ちゃん」
花陽「うん!」
花陽「おいしかったぁ」ホクホク
果南「ま、まさかご飯全部食べるとは思わなかったよ…でも、そっかぁ。花陽ちゃんが…」
花陽「? はなよが、どうしたの?」
果南「あー、さっきのさ。じーちゃんが言ってた花陽ちゃんがうちの子になったらってやつ。ほんとにそうなったら楽しいだろうなぁって」
花陽「ふふ、そうだね。ならやっぱり、果南ちゃんがお姉ちゃんなのかな?」
果南「お姉ちゃんかぁ…。悪くないかも」
花陽「それとも、はなよがお姉ちゃん?」
果南「ってなると、私が妹?……悪くない、かも」
花陽「ふふ、ほーら、お姉ちゃんですよぉ。なんて」
果南「! お姉ちゃん、ハグ!ハグしてー!」
キャッキャキャッキャ (ガチャ
じーちゃん「……果南」
果南「!!?!!?!??!!???」ガバッ
じーちゃん「……みかん持ってきたけど食うか?」
果南「もーー!!!!//////// 勝手に部屋入って来ないでよ!!!!!////////」
じーちゃん「いらんのか?」
果南「いる!!!!!!!!!!!!!」
花陽「お風呂上がったよ〜」ガチャ
果南「おかえり。じゃ、私も行ってこようかな」
花陽「ごめんね、先にいただいちゃって」
果南「いいっていいって。お客さんなんだから」
カポーン
果南「…」
果南(…明日には、帰っちゃうんだよなぁ。そうしたらまたしばらく会えないのかな…)
果南(ううん、だめだよね、こんなんじゃ。スクールアイドルを続けてれば、いや、その先もずっと、花陽ちゃんとは友達なんだから。また時間作って、またたくさん遊ぶんだ)
果南(うん!やっぱ私に後ろ向きなのは似合わないね。お風呂出たら限界まで夜更かししちゃうんだから!なにしよっかな~)
果南「…ふふふ」ニコニコ
果南「花陽ちゃん、おまたせ〜」ガチャ
花陽「…」
果南「…花陽ちゃん?」
花陽「…zz」スウ..スウ..
果南(…そっか。たくさん遊んだもんね。明日、どこ回るか考えなくちゃ)
果南「おやすみ、花陽ちゃん」
花陽「…zz……カナン、チャン…」グスッ
〜翌日~
果南「それじゃ、行ってくるよ。夕方には帰るから」
花陽「お世話になりました」ペコッ
じーちゃん「おーおー、楽しんでおいで。花陽ちゃん、またいつでも来ていいんだからな」
花陽「ありがとうございます!今度はおじいちゃまと一緒にまた来ますね!」
じーちゃん「…」フリフリ
果南「いよーーーーーし!今日も遊ぶぞー!花陽ちゃんは何時の電車に乗るんだっけ?」
花陽「16時くらいには沼津駅から乗ろうかな。途中下車しながら少し回ってみたいんだ」
果南「そっか。じゃああまり時間もないね。ゆっくり駅に向かいながら、昨日と違う道を案内するよ」
花陽「…」
果南「花陽ちゃん?」
花陽「あ、ごめんなさい…。そうだよね、もうすぐお別れなんだよね…」
果南「花陽ちゃん…」
果南「…」グイッ
花陽「!? 果南ちゃん!?」
果南「悲しいこと言うの禁止ー!あんま時間ないなら、それこそ楽しまなくちゃ、でしょ!」
花陽「果南ちゃん…。うん、そうだよね!それじゃ早速行かなくちゃ!」
花陽「…ありがとう」ボソ
果南「…」グスッ
~沼津駅~
花陽「着いちゃったね…ちょっと早いけど」
果南「…あ、あのさ」
果南「私も、一つわがまま言ってもいいかな」
花陽「…?」
果南「私と…ライブをして欲しいんだ。今、ここで」
花陽「え、ライブ!?…それも今から?」
果南「うん…ごめんね、急に。私ね、花陽ちゃんが来てくれるって言ってくれたのが凄い嬉しくてさ。何か忘れられない思い出が欲しかったんだ。その時真っ先に浮かんだの。花陽ちゃんと一緒に歌えたら、きっと楽しいだろうなって」
花陽「果南ちゃん…」
果南「ダメ…かな…」
花陽「…ううん。そんなことないよ、すっごく嬉しい。やろ!一緒に!」
果南「ほんと…?ありがとう…っ!」ギュッ
花陽「苦しいよぉ果南ちゃん。…でも、曲はどうしよっか。即興で合わせられるかな」
果南「…もしね、花陽ちゃんから希望がなければ、やりたい曲があるんだ」
果南「ライブをしたいって思ってから、なんだかじっとしてられなくてさ。もしこのわがままが叶うなら…そう思って探して、見つけたの」
果南「すぐにことりちゃんと連絡を取ってね。ダンスの振りだったり歌うコツだったり、いろいろ教えてもらって練習してたんだ」
果南「…必死すぎだよね。ダイヤや鞠莉によく言われるんだ、お前は不器用だって」アハハ
花陽「そんなことないよ」
果南「え?」
花陽「そんなことない。だって、果南ちゃんの想い、すごく伝わるもん。…ありがとう」ギュッ
果南「は、花陽ちゃん!?//」カアアアァ
花陽「…ろ」
果南「?」
花陽「…やろ!ライブ!はなよ、今歌いたくて、踊りたくてたまりません!果南ちゃんと、ライブがしたくてたまらないんです!」
果南「花陽ちゃん…!うん、うん!やろ!!最高のライブにしなくっちゃ!」
ことり『ただし、条件があります。2人のライブをしっかり録画して、私に送ること!…2人の可愛い姿、今から見るのが楽しみです♡』
果南(ああ言われちゃったから、こっそり曜にだけお願いはしてたんだけど…)チラ
ネ、チョ、ダカラオサナイデッテバ
アンタタチバッカミテンジャナイワヨ! ミ、ミエナイズラ..
モーゥカナンズルイワヨォ! カナンチャン..ゴメン..
果南(…まあそんな気はしてたよ)ハァ
花陽「果南ちゃん?どうしたの?」
果南「ううん。なんにも」ニコ
花陽「それにしても凄いね。冒頭だけ確認したけど、全然違和感がなかったよ」
果南「ことりちゃんに感謝しなきゃだね」
花陽「うん!」
果南「…それじゃ、準備はいいかなん?」ボソ
花陽「だいぶいい感じ〜」ボソ
かなぱな「」クスクス
果南「…よし。それじゃ、やろうか!2人だけの、最高のライブを!」
花陽「はい!」
ミナサーン!コンニチハー!
ナンダナンダ? ライブデスッテ アノコシッテル!
かなぱな「「それでは、聴いてください」」
かなぱな「「『告白日和、です!』」」
~沼津駅構内〜
花陽「それじゃ、そろそろ行くね」
果南「うん。2日ともありがとね。すっごく楽しかったよ」
花陽「こちらこそ。果南ちゃんと過ごせたこと、ずっと大切な思い出だよ」
かなぱな「「……あ、あのね」」
かなぱな「「え?」」
果南「あっはは、ハモっちゃったね。花陽ちゃんからどうぞ?」
花陽「ふふ、ありがとう。…あのね、最後にもう一つだけ、わがままがあるんだ。…聞いてくれませんか?」
果南「…ふふ」
花陽「?」
果南「…私もね、同じなんだ。最後にもう一つ、わがままを言いたかったの。…聞いてくれませんか?」
花陽「ふふ、それなら2人一緒に言いませんか?」
果南「賛成!…それじゃ、せーのっ」
かなぱな「「また一緒に遊ぼう(びましょう)!!」」
フフフ..アハハ..
その後、切磋琢磨し合ったμ’sとAqoursが、それぞれラブライブ!を代表するスクールアイドルに成長するようになることはまた別のお話…
【※閲覧注意】名店 珍獣屋 オフレポート
一年半ぶりくらいですね。お久しぶりです
さて今回の記事ですが、桜木町に君臨する飲食店さん「珍獣屋」に訪れた際の感想になります
復帰後、最初に書く記事はポケモンの構築記事にしたかったのですが、ありえない程の衝撃に思わず記事を書く手が止まりませんでした
行くことになった経由は覚えていません
ゲテモノを食べたいだけのツイッターヤクザ共に家が近いからという理由だけで連行されました
先に断わっておきますが、ぼくは虫が苦手です
虫というか結構な生き物が苦手です。カエルとか幼虫とかセミとかGとか
そんなぼくが行ったということを前提にお読みください
じゃあまずは今回のイカれたメンバーから紹介するぜ!!
くろこん
ワニ代表。もはやリア友
「桜木町のワニより横浜のワニの方が強いっとこを見せてやるよ」※言ってません
あほろん
新潟代表。これ食うためだけに往復8kかけて来たガイジ
「俺を倒したきゃミンミンゼミの踊り食いでも持ってきな」※言ってません
めいたん
絵師代表。唯一の良心(であると信じたい)
「彼女とのキスよりもゴキブリを選んだ俺に死角は無い」※言ってた気がする
だれると行けないから早速レポに移るぜ!
今回訪れた珍獣屋。場所はJR桜木町駅から徒歩10分くらいのところにあります
駅で3人と合流してお店に向かうと……
ありました。やべー看板が。
歩きながらいけるいけるwとかイキってたぼくたちもこれを見て思わず身震いする
ビルの2階に上り早速入店します
席に案内されると店員さんからこのメニュー表を使って丁寧な説明を受けました
この時点でぼくら猿みたいに騒ぎまくってた
しかし残念なことに(?)今回の大目玉だったゴキブリくんがなんと在庫切れで現在養殖中とのこと。ほっとしたような残念なような複雑な気持ち
各々適当に飲み物を頼んで乾杯し、その金属音を合図に戦いの火蓋が切って落とされました
店内はバーって感じ。行ったことないけど
席も少なく落ち着いた雰囲気でした
①ウーパールーパーの1本焼き
なんとこれ1匹で2000円くらいの超高級食材
一発目からこのインパクトである。みんながビビる中
くろこん「んじゃあ俺頭いっていいすか」
……まじかこいつ。そのままなんの躊躇いもなく頭側半分をぱくりしてました。
それに続いてぼくも2番手を切る。ウーパールーパーの下半身をぱくり。
……ん?悪くない
味は淡白な白身魚、食感は魚卵+小骨のアクセントといった感じでした
例えるならししゃもにすごく似ています
ていうか普通においしい。ウケる
絶対これ食い物じゃない
今にも動き出しそうな野性味溢れる見た目
ハサミで4等分にぶった切ってじゃんけんで勝った人から好きな部位を取っていきました
ぼくはドベだったのでほぼ身のないしっぽを食わされました。グソクムシを食べられなかっただけなのにひどく悲しかったです
味はエビそのものでした。風味も食感も
美味しいか美味しくないかで言えばまあ食べ物食べてるなって感じでした
③ワニの手
店に来る前から期待の大きかったワニが爆誕
中に骨が通っているので、ナイフとハサミで周りの肉を削ぎ落としながら食べるそうです
ここでめいたん職人の腕が光る
親の仇かの如くナイフで肉を抉りとるようにちぎっては投げちぎっては投げていく
お皿に乗せてくれたワニ肉を我慢できずにぱくり
…うめえええ!!!!
これはもう文句無しに美味かった
唐揚げとして作られたそれは味付けはもちろん肉そのものが非常に美味しい
肉なのにしゃきしゃき?サクサク?とした食感をしているが、紛れもなくそれは「肉」として圧倒的な存在感を放っていた
後半美味すぎてもっと食いたかったのでみんなが喋ってる中黙々とハサミで身を取ったり直接かぶりついたりしてました
(↑ぼく)
(↑くろこんくん)
この時点でもうゲテモノを食べることにほぼ抵抗が無くなってました。恐るべき珍獣屋
④ヤギの金玉
ヤギの金玉です
ヤギの金玉です
何度でもいいます
ヤギのkこれですね、見た目はまあホタテっぽいんですが味がとにかくキツかったです
くろこんくんとあほろんくんが先行し「美味い」「貝みたい」とのこと
勢いで食う。不味くは決して無いのですが、後味というか臭みというか、とにかくかなり癖が強くて好き嫌いが極端に別れる味でした。ぼくとめいたんは無理だった
食感は確かに貝っぽく、その味はなんとも形容し難いもので、正にそれは「ヤギの金玉」そのものでした
強いて例えるなら森の精子みたいな感じです。ゴックンしたことないけど
余談ですが、これおかわりの飲み物といっしょに頼んだんですが、ぼくがみんなの注文聞いて全部いっぺんに頼もうとしたんですよ
えみ「あれとそれとこれと、後は…」
あほ「ヤギの金玉下さい!」
って感じで割り込まれました。どんだけこいつ金玉食いたいんだよって思いましたね
⑤鹿の脳みそ
↑来店二週間前のこのツイートを見て食べたいなーなんて話してたらまだあったので、これは頼むしかないと注文しました
運ばれてきたこのホワイトマターとでも言うべき物体、これもまた4等分してじゃんけんで勝った人から取ってくスタイルでいくことに
そうと決まれば早速とナイフを入れるのですが…これがまたすごかった
ぶよぶよしてるように見えるでしょ?これね、豆腐みたいにめっちゃスーーッって刃が入るんですよ。そらもうスーーッっと
ぼくらそらもう興奮してナイフ回しながらみんなで切ってました。くそ楽しかった
んでじゃんけんですが、グソクムシの分を取り戻すかの如く一位抜けして一番でかいところかっさらっていきました。んで先行する
これがね、ガチで美味いんですよ
そらもう美味すぎて身体中に電流が走りましたね。電流が脳まで達した瞬間自分の脳みそが鹿の脳みそに上書き保存されてぐえー自分も鹿になってしまったって感じでした
なんて言えばいいかなーなんて思ってたらめいたんが「チーズみたい」と言って納得
味は超濃厚なチーズでそれをバター醤油で調理したんだからそら美味いに決まっていた
食感はトロトロで、だけど濃厚すぎていい意味で口の中に残り続ける感じ。大変美味でございました。個人的珍獣屋No.1料理
⑥ツクツクボウシ&サソリ
せっかく珍獣屋に来たならやっぱ虫っぽいもの食べたいよねってことで頼みました。いわゆるゴキブリの代わりです
なんか2品がひと皿にセットで運ばれてきて見た目インパクトがすごかった
最初にツクツクボウシを食べることに。3匹しかいないので、以前野良でセミを食っていた(←?)あほろん以外の3人で食べることに
イッ〇Qよろしく口に挟んでめいたんと一緒に噛みちぎった。めいたんがビビりまくってて可愛かった
↑これ噛みながらツーショット撮ってます
んでもってくろこんくんの食レポが面白かった。
「味が3段階で来る。香ばしいのが来てから、口の中に野生が広がり、最後に苦味が来る」
実はこのツクツクボウシね、完全野生産なんですよ。八丈島で捕まえたワイルドなやつらしいです。ゴキブリとかは養殖なのにね
んでこれ食って上の感想なるほどってなりました。確かに2段回目でぼくの口の中には八丈島の大自然が広がっていました。クソくらえ
トイレに行くのでサソリ適当に食っててくれと残し、席に戻ると尻尾とお腹が残されてたのでサソリのアイデンティティである尻尾を食べました
割とお肉詰まってました。味は漢方って感じでした。そんなにおいしいもんではなかったです
唐突にきた店員さんの「ラストオーダー」
ぼくたちが頼むものは決めていた
⑦異物混入プリン
はい
珍獣屋って言ったらこれですよね。ぼくもこれの存在だけは知っていました
そこそこの値段がするのと恐れから二人で一つを食べることにしました
なぜかあーんしてお互いに食べさせることになったので野郎4人で食べさせあいっこしました。ぼくらは楽しんでたけど周りからみたら地獄絵図だったと思います。
気になる味ですが…
はい、とてもおいしかったです
まずお値段張るだけあってプリンがとてもおいしいです。これ一本でも売れるってくらい
まあ一本とか言ってても蓋を開けたら100本くらいやべーのが刺さってるんですけどね(ミルワームって言うらしいです)
ですがこのやべーの、良くいえば臭みとか苦味もなく、悪くいえば何も味がしませんでした。ただただサクサクする何かって感じ。はい、サクサクしてました。そりゃもうサックサクでした
スーパーにもカラーチョコスプレーの横に置いてあっても不思議じゃないと思います。近い将来そんな日も来るんでしょうか
そんなこんなで無事完食しました
4人でアホみたいに頼んで1人8000円
正直万超えると思ってたので思ったよりも安く済んだんじゃないでしょうか
ここに来る前は
「どうせ腹いっぱいにならんから出たら近くでラーメンでも食べましょう」
と話していたのですが、食べ終わってみるとあら不思議、十分にお腹も満たされ心も満たされ完全に珍獣屋のトリコリコになっていました
料理は美味しく、ワニの手をお土産にくれたりヘビを触らせてもらえたりとサービスもよく、何よりも店員さんの雰囲気がとてもよくて一言で言うなら『とても素晴らしいお店』でした
この記事で少しでも珍獣屋に興味を持っていただけたなら嬉しい限りです。どうか偏見を持たず、機会を作って足を運んでみてください
閲覧ありがとうございました
そして共に戦い抜いた3人の戦士にもありったけの感謝を。。
お土産のワニの手
【ようダイルビSS】ノータイトル
よう←ダイルビ
地の文多め。ハッピーエンド(のつもり)です
それは本当に些細なことだった
曜「……ちゃん?ルビィちゃん?どうかした?」
ルビィ「えっ…あれ、曜ちゃん…?」ハアハア
曜「顔赤いよ?もしかして熱中症かも…ちょっと待っててね!すぐ戻るから!」タタッ
ルビィ「熱中症…」
どうやら部活の休憩中、ルビィは軽い熱中症になってしまったようでした
ダイヤ「ルビィ!大丈夫ですの!?」
ルビィ「おねいちゃ…うん、大丈夫…っ」クラッ
ダイヤ「大丈夫じゃないじゃないですか…すぐ保健室に…」
ルビィ「大丈夫!…大丈夫、だから。お姉ちゃんはみんなのところに行ってあげて」
ダイヤ「ルビィ…はぁ。わかりましたわ。こうなると聞かないんですから。曜さん、すみませんが…」
曜「ヨーソロー!任せるであります!」
曜「ルビィちゃん。背中、乗れる?」
ルビィ「ぅゅ…」
保健室に向かう途中
曜「今日は一段と暑いもんね。軽いうちに気づけてよかったよ」テクテク
ルビィ「…ごめんね。迷惑かけちゃって」
曜「…うーん。こういうときは『ありがとう』って言ってほしいかな、なんて」エヘヘ
ルビィ「曜ちゃん…うん、ありがとうっ」
そう言って抱きついた曜ちゃんの背中が、優しさが温かく、保健室に着く前に私は眠ってしまっていました
それは本当に些細なことだった
ダイヤ「はぁ、全く。毎度しょうないですわね」
曜「…ダイヤさーん。どうしました?」ヒョコッ
ダイヤ「あら、曜さん。皆さんと一緒に練習に向かわれたのでは?」
曜「うん。なんだけど、最近ダイヤさんって少しだけ遅れて屋上くるじゃない?何してるのかなーって思ってさ」
ダイヤ「ああ…すみません。千歌さんたちがいつも散らかしていくものですから、最近は軽く片してから出ることにしてるのですわ」
曜「あー…それは…すみません」
ダイヤ「曜さんが謝ることではありませんわ。私も好きでやっていることですから。って、曜さん何を?」
曜「何って、お手伝いですよ!2人でやれば早く終わりますし、早くダイヤさんと練習、したいですし!」
ダイヤ「曜さん…ありがとうございます」
部室を出て屋上に向かう途中
ダイヤ「ありがとうございました。おかげでいつもより早く練習が出来そうですわ」
曜「いーえーそんな。…こちらこそどうもありがとう」
ダイヤ「ありがとう…?私にですの?」
曜「うん。ダイヤさん、いつも私たちの見てないところでたくさん頑張ってくれててさ。鞠莉ちゃんたちは恥ずかしがるから言わないであげてって言ってるけど、私たち、すごく感謝してるんだよ」
ダイヤ「…そう、でしたの」ポリポリ
曜「あ~!もしかして照れてます~??」ニヤニヤ
ダイヤ「そ、そんなことありませんわ!いきなりそんなこと言われてなんて応えればいいか」
曜「でも」
ダイヤ「え?」
曜「でも、感謝してるのは本当ですよ。少なくとも渡辺曜は、ダイヤさんと会えてよかった。ダイヤさんと過ごす時間がとても楽しいんだってことを伝えたかったのであります」
ダイヤ「曜さん…」
曜「ほら、もうすぐ屋上ですよ!早く行って練習しましょ!」ギュッ タタッ
ダイヤ「ちょ、曜さん急かさないで下さい!…もう!」
そう言って私の手を引っ張る曜さんの手が、想いがとても温かく、自然と顔が綻んでいくのがわかりました
それは本当に些細なことだった
私は、渡辺曜に恋をした
初めての感情に、私はじっとせずにはいられなかった
ルビィ「お姉ちゃん…あのね。相談があるの」
ダイヤ「どうしたんですの、ルビィ。」
だから、あの子の言葉には驚かざるを得なかった
ダイヤ「素敵なことじゃありませんか。お姉ちゃんも協力しますわ。…頑張りなさい、ルビィ」
私は、自分の気持ちに蓋をした
ルビィ「お姉ちゃんっ……ありがとう!」
私は、自分の気持ちに素直になった
私は、きっと器用で不器用なのだろう。
初めての感情と、初めての失恋に動揺したものの、なんとかこれまで通りの黒澤ダイヤを演じて来れているはずだ。大好きな妹の想いを形あるものにするため、大好きな曜さんと近づけさせてあげようと試行錯誤している。
しかし、私は自分のことになるとてんでダメらしい。自分の気持ちに諦めをつけるため、知らずのうちに曜さんと距離を置いてしまっていた
迂闊だった
曜「ダイヤさん…!やっと見つけた…」ハァハァ
ダイヤ「曜さん…どうしてここに…」
曜「どうしてって…最近のダイヤさんなんか変だから…って、え……?」
まさか仲の良くなった2人を見ていたら辛くなって逃げてしまった、とは言えず、無言で睨み追い返そうとした
しかし、不情にも瞳は正直だった
ダイヤ「…っ」
曜「ダイヤさん…。お願いです、私に話してください。私、何かしてしまったんでしょうか…」
ダイヤ「……すみません。練習にはすぐに戻りますので、曜さんは先に……っ!?」
曜「話してくれるまで離れませんよ…。もう二度と、あの時みたいな気持ちのすれ違いはしたくないんです…」
ダイヤ「曜さん……。わかりましたわ」
ダイヤ(ルビィ…ごめんなさい)
私は全てを話した。ルビィの事。そして、黒澤ダイヤのことを。
確かに、最近私はルビィちゃんと過ごす時間が多かったように思う。元々衣装係としてよく一緒になってはいたが、それに限った話ではなかった。
一緒に過ごす時間が増えたことで、改めて彼女の強さを知った。ドジっ子なところもあるが、常に彼女の中には芯があった。転んでも、一途に、懸命に何かをする彼女の姿に、今思えば私は惹かれていたのかもしれない。
人に好意を向けられたことは初めてではなかった。
もちろんそれ自体はとても嬉しいことだった。しかし恋愛というものに疎い私は、今までそれらには応えられずにいた。もしかしたらその子のことを好きだったのかもしれないが、当時はそれに気づくことも出来なかった。
私はAqoursが大好きだ。当然そこにはルビィちゃんとダイヤさんがいて、みんながいて。それは今でも変わっていない。
私は、どうしたらいいのだろうか
「ちかっちのとき以来かしら。こうやって曜と二人きりになるのは」
曜「…ごめんね。急に呼び出して」
「気にすることないデース。こうやって抱え込まないでまた相談してくれて嬉しいわ」
曜「それで、なんだけど…その…」
「…2人のことでしょう?私には全部お見通しなのデース!…ま、2人とは付き合い長いから。果南はともかくその他の子は気づいてないと思うわ」
曜「……」
「はぁ…。曜、よく聞いて。何も想いに応えることだけが優しさではないの。むしろ半端な気持ちで応えることは相手に対する侮辱とも言えるわ」
「…ごめんなさい、脅すようなことを言って。あなたは優しい子だから、きっと誰も悲しませたくないのよね。それか、今の関係を壊したくないか」
「…図星みたいね。でもね、曜。あなたがあの子達を、Aqoursを大好きなように、あの子達もまたあなたのことが大好きなのよ。もちろん、ここの好きはlikeの方ね」
「だからね、曜。弱気になっちゃダメよ。大好きな仲間なら信じなきゃ。あなたの言葉を、想いを全部伝えるの。気持ちが繋がっていれば、きっとあの子達に伝わるわ」
曜「………っ」ウツムキ
「もう、泣かないの。」ヨシヨシ
曜「ありがとう…本当に…」
「どういたしまして。」
(頑張るのよ…曜。ダイヤ。ルビィ。)
数日して
ルビィ「曜ちゃん…お話があるの」
曜「ルビィちゃん…」
ルビィ「ルビィね、その…曜ちゃんのことが…」
曜「…ごめん」
ルビィ「えっ……曜、ちゃん…?」
曜「ごめんね…ルビィちゃんの想いに、私は応えられない」
ルビィ「そ……そっか。迷惑、だったよね。ごめんn「違うの!!」
ルビィ「えっ…?」
曜「違うの…ルビィちゃんの想い、私すごく嬉しいんだ。私も…多分そうだったから。でもね、それだけじゃダメなんだ」
ルビィ「曜、ちゃん…?」
曜「…この間、ダイヤさんに問いただしてね。聞いたんだ、ルビィちゃんのこと、それと、ダイヤさんのことを」
ルビィ「そっか、お姉ちゃんに…。え、でも、お姉ちゃんのことって一体…」
私は、話した。ダイヤさんの想いを。彼女が話してくれた全てを、ありのままに
ルビィ「そ、そん…な…おねいちゃ…どうして…」
曜「…」
曜(今の私に、泣いている彼女に掛けてあげられる言葉などあるのだろうか)
曜「ルビィちゃ…「うぅん…違うよね」
ルビィ「泣いてなんかいちゃ、ダメだよね。ありがとう、曜ちゃん。話してくれて」
曜「そんな…私、むしろ…」
ルビィ「ううん、曜ちゃんは何も悪くないよ。曜ちゃんの想い、伝わるから」
曜「ルビィちゃん…」
ルビィ「ありがとう、曜ちゃん。ルビィ、曜ちゃんを好きになって本当によかった」
ルビィ「…一つだけわがまま、言ってもいいかな。ルビィのこと、送り出してほしいんだ。お姉ちゃんのところまで。曜ちゃんの、元気いっぱいのヨーソローで」
曜「…うん。わかった」
私は不器用だ
弱虫で泣き虫で、一人じゃ何も出来なくて、いつも誰かに助けてもらっている
でも、それも今日でおしまいだ。私は、成長しなくてはならない。私を助けてくれた、想ってくれていた、大切な人達のために
生徒会室
ルビィ「お姉ちゃん!!」ガラッ
ダイヤ「ルビィ…どうしたんですの、騒がしいですわよ」
ルビィ「ごめんなさいお姉ちゃん!!!ルビィ、大好きなお姉ちゃんのことなのに、気付けなかった!ずっと、ずっとお姉ちゃんに…ルビィ…」ダキツキ
ダイヤ「!……曜さんに聞きましたのね。いいんですのよ、私のことなど」ナデナデ
ダイヤ「お返事の方は…いただけましたの?」
ルビィ「うん…フラれちゃった」エヘヘ
ダイヤ「そう…でしたか…。大丈夫です、チャンスはまだいくらでも…」
ルビィ「お姉ちゃん。ルビィね、ずっとお姉ちゃんに助けられてきた。でもね、それももう今日で終わりにしたいの」
ダイヤ「ルビィ…」
ルビィ「ルビィ、お姉ちゃんと並んで歩きたい。お姉ちゃんといっしょに追いかけたいの。夢も、恋愛も…なんて。ダメ、かな…?」
ダイヤ「…姉妹だから好きになる人も似てしまうなんて、神様も理不尽なものですわね」
ルビィ「お姉ちゃん…?」
ダイヤ「いいですわ。その勝負、受けて立ちましょう!相手が妹だからといって私、容赦は致しませんわよ!」
ルビィ「お姉ちゃん…!うん!」
ダイヤ「ふふ…。ありがとう、ルビィ」ギュッ
曜(これで…よかったのだろうか…)
鞠莉「お疲れさま、曜」テクテク
曜「鞠莉ちゃん…もしかして、ずっと…?」
鞠莉「ええ…心配だったから。でも、どうやら大丈夫そうね」
曜「でも私…」
鞠莉「大丈夫よ、あの子達は強いから。…むしろ、強すぎるくらいかしら?」
曜「どういうこと?」
鞠莉「ま、そのうちわかるかもネ♪」
曜「なにさそれ…あっはははは」
鞠莉「やっぱり曜には笑顔が一番デース!」
鞠莉(頑張ってね、3人とも…なんて♪)
fin
【真姫ちゃん誕生日記念SS】"ありがとう"
まきりんぱながμ'sに加入した日の夜
花陽「なれたんだ…スクールアイドル。凛ちゃんと西木野さんと一緒に。なんだか夢みたい」
花陽「思えばあのとき、西木野さんの生徒手帳を拾ったのがきっかけでお話しできたんだっけ。……ん?生徒手帳?そういえば…」
花陽『これ…西木野さんの生徒手帳、だよね。住所は…うん、そんなに遠くない。届けてあげないと』
花陽「あのとき、誕生日もちらっと見えたような。確か……」
(ぼや〜っと思い出す4月の文字)
花陽「そうだ、確か4月だったはず。でも何日だったか思い出せないよぉ!……お祝い、してあげたいな。…よし。」
アッモシモシリンチャン? アノネ…
翌日、初の朝練後の教室
凛「真姫ちゃああああん一緒にお昼食べるにゃああああああああ!!!!!!」ダキッ
真姫「きゃあ!もう、クッツカナイデ!/// 私、先にお手洗いに行ってくるわ」
りんぱな「!!」
凛「それなら凛も一緒に行くにゃ!ほらほら真姫ちゃん、早くー」
真姫「別にいいけど…ほんと元気な子ねぇ」
凛(かよちん、こっちは任せるにゃ)チラッ
花陽(凛ちゃん…うん、ありがとう!)
花陽「よし、今のうちに…ごめんね真姫ちゃん、バッグの中身、失礼します…!」ゴソゴソ
花陽「…あった!真姫ちゃんの生徒手帳。肝心の誕生日はっと…って、え?…え?……」
ピャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
花陽「どどどどどうしよう…えっ?嘘…」
真姫「花陽?どうしたのよあんな大声出して」
花陽「ピャアアアア!!!!?!?ナンデモナイノヨナンデモ」
花陽「そんなことより凛ちゃん!花陽お手洗い行くから一緒にいこ!!ね!!!」
凛「え?凛今行ってきたばっかだにゃって、にゃああああああああぁぁぁ………」
真姫「…一体なんなのかしら」
凛「えええええ!!!?!?真姫ちゃん今日が誕生日なのぉ!!?」
花陽「凛ちゃん声大っきいよお!…うん、さっき確認したら、4月19日って…」
凛「どうするにゃ?プレゼントも用意できてないし、今日は初めての放課後練もあるし…」
花陽「うん…流石に一日目から休ませてくださいなんて言えないよね…どうしよう…」
オヤ、アソコニイルノッテ
??「こんにちは。さっきぶりですね」
花陽「うん?…って、海未先輩!?こんにちは…どうしてここに?」
海未「いえ、少し職員室に用があって。二人こそこんなところで何を?」
凛「その、実は…」カクカクシカコガカワイイゼ
海未「そうでしたか…真姫が誕生日」
花陽「はい…はなよたちもさっき知って…準備もできてないしどうしようかと…」
海未「…ふふっ」
りんぱな「?」
海未「いえ、すみません。…幸い、今日の放課後は軽く動いたあと、少し交流の場を作ろうと考えてたのです。その時間を使って、即席の誕生日パーティーを開いてみるのもいいかもしれません」
凛「えっ!いいんですか!?」
海未「もちろんです。というより、こちらからお願いさせてください。真姫は私たちにとっても大切な仲間ですから。ただ、私たち二年生組が邪魔にならなければ、ですが…」
花陽「邪魔なんてとんでもないです!…やらせてください!誕生日パーティー!!」
海未「花陽…。ふふ、なんだかとても頼もしいですね。穂乃果とことりには私から言っておきましょう。それで、準備の方ですが…」
凛「それなら任せるにゃ!かよちんとたーくさん美味しいもの買ってくるよ!!」
花陽「うえぇ!?凛ちゃんに追いつけるかなぁ…」
ヤイナヤイナ
海未(本当に…優しい子たちですね)
放課後
真姫「全く…結局お昼休みはギリギリまで待たされるわ、今度は用があるから先部活行っててって…。私だって、ほんとは……」
真姫「…お疲れ様です」ガチャ
穂乃果「まままま真姫ちゃん!!いやー今日もいい天気だねえ絶好の練習日和だ!これならこの後のパーティーもンググッ!」
ホーノーカー? イヤーツイ...アハハ...
ことり「真姫ちゃんこんにちは♪凛ちゃんたちは一緒じゃないのかな?(なんてね♪)」ヒョコッ
真姫「ええ、用があるとかで遅れるって…それよりことり先輩、さっきのって…」
ことり「ナンデモナイノヨナンデモ」
練習後
海未「はい、では今日はここまでにしましょう。しっかり水分を取っておくように」
ハーイ
真姫「今日ってもうこれで終わりなの?」
海未「いえ、この後少し一、二年生の親睦を深めるための場を設けようかと思いまして。真姫は凛や花陽から聞いていませんでしたか?」
真姫「…いえ、聞いていないわ。…ありがとうございます」ペコ
真姫(………)チラッ
りんぱな「」ヒソヒソ
真姫(なに…話してるのかしら…)
穂乃果「あーーー!!!!!」
真姫 ビクゥ「なんなのいきなり!?」
穂乃果「いやーほのか、しばらく真姫ちゃんのピアノ聞いてないなーって思って。そうしたら急に聞きたくなってきちゃったっていうか…あはは」
真姫「全くこの人は…。……いいですよ、私も少し触りたいと思ってたから(これでこのモヤモヤからも目を背けられるし)」
穂乃果「ほんと!?じゃー早速行こう!」グイグイ
海未「大丈夫でしょうか…」ことり「あはは…」
音楽室
穂乃果「はあぁ、やっぱり真姫ちゃんのピアノはいつ聞いても素敵だなぁ」
真姫「…ありがとうございます。………穂乃果先輩」
穂乃果「ん?」
真姫「その……いえ、何でもないでs 穂乃果「どうしたの、真姫ちゃん。…言ってごらん」
真姫「…私、不安なんです。花陽と凛と、仲良くできるかどうか…とても、不安で……」グスッ
穂乃果「…大丈夫だよ」ギュッ
穂乃果「花陽ちゃんも凛ちゃんも、とっても優しい子たちだよ。ほのかもまだ会ってから少しだけど、それでもわかるんだ。…なんとなくだけどね。えへへ」
穂乃果「…そろそろ屋上に戻ろうか。花陽ちゃんも凛ちゃんも、もちろんことりちゃんも海未ちゃんも。みんなきっと真姫ちゃんを待ってるよ」
真姫「待ってる?それって、どういう…」
穂乃果「さあ、真姫ちゃん」
真姫「…」
ガチャッ
パン パン パン パン !!!!
真姫「きゃあっ!」ステッ
「「「「「真姫ちゃんお誕生日おめでとう!!!!!」」」」」
真姫「えっ……?」
ことり「ごめんね、びっくりしちゃったかな?これね、みーーーんなっ凛ちゃんと花陽ちゃんが準備してくれたんだよ!」
花陽「実はね、真姫ちゃんのお誕生日のこと、今日知ったんだ。時間が無くて、あまりお誕生日パーティーって感じには出来なかったんだけど…」
凛「でもねでもね!凛たち、真姫ちゃんに喜んで欲しくて頑張ったんだよ!……どう、かな…?」
真姫「……どうして、そこまで…」
海未「決まってるじゃありませんか。真姫は私たちの大切な友人なのですから」
穂乃果「どう、真姫ちゃん。悩み、まだある?」
真姫「そんな聞き方っ…ずるい、わよ…」ペタッ
花陽「真姫ちゃん!?」
凛「真姫ちゃんどうしたの!?お腹いたいの…?それともそれとも…えっとえっと…」オロオロ
真姫「…大丈夫よ。どこも悪くはないわ」
真姫「…私って大バカね」ボソッ
花陽「真姫ちゃん…?」
スクッ
真姫「花陽、凛」
りんぱな「…?」
真姫「穂乃果先輩、ことり先輩、海未先輩」
ことほのうみ「…」ニコッ
"ありがとう"
fin
~あとがき〜
1日入学式、2週間で準備、16日スタダ、17~19日1期4話。って設定でした。
1期2話のセリフに「発表まで1ヶ月も無い」というものがあり、アニメ基準だと恐らくこの日程は不可能になりますがそこは大目に見ていただければと。
真姫ちゃんお誕生日おめでとう!!!